神戸が励まし仙台が応えた復興メッセージ再び…震災後初の3・11公式戦


神戸が励まし仙台が応えた復興メッセージ再び…震災後初の3・11公式戦
11日の仙台―神戸戦の試合前に流される、仙台が作製した映像
3・11から6年
 サッカーJ1仙台は、11日にホームで神戸戦を行う。東日本大震災が発生した2011年3月11日以降、初めて3・11に開催される公式戦。震災から3か月たった11年6月の神戸―仙台戦は、1995年の阪神・淡路大震災を乗り越えた神戸がエールを送る映像が流れ、被災地を勇気付けた。今回の試合前には、そのメッセージ映像と、同じく11年に仙台が神戸の激励に応えて復興を誓った“アンサー映像”を初めて同時上映する。

神戸が励まし仙台が応えた復興メッセージ再び…震災後初の3・11公式戦
2011年6月11日、東日本大震災の被災地を応援する映像が、神戸の本拠地のビジョンに映し出された
試合開始前に映像同時上映
 東日本大震災から6年。「復興応援試合」と銘打たれた3・11、試合開始15分前の午後3時45分から、ユアテックスタジアム仙台で、11年に作られた仙台と神戸の復興メッセージ映像が同時上映される。

 きっかけは、震災から3か月がたった11年6月11日。ホームズ(現ノエビア)スタジアム神戸で行われた神戸―仙台戦で、試合前に約3分の映像が流れた。神戸が阪神・淡路大震災から、多くの支えがあって復興した様子を紹介し「だから 負けるな仙台 負けるな東北」など、エールを送る内容。スタンドは大きな拍手に包まれた。

 当時、現地でこの映像を見た仙台の斎藤美和子・事業部長兼復興支援室室長(59)は「仙台も、こういう映像を作りたい」と感激。同年のシーズン最終戦となった12月3日のホーム・神戸戦の試合前に、計約5分間の映像を上映した。神戸をはじめ各地からの支援に感謝し「僕たちは必ず復興するんだ」と決意。「復興へ向けた『希望の光』に」と、チームが被災地のために戦っていくことを誓った。

風化はさせず活力となって
 今回、3・11に神戸戦を行うことが決まり、仙台が神戸に11年の映像の提供を依頼。仙台側も、言葉の微調整などはあるが、ほぼ当時のままの映像を6年ぶりにユアスタで上映する。斎藤氏は「震災のことを忘れてほしくないという気持ちもありますし、復興への活力にしてほしいという気持ちもあります」と説明した。

 仙台はこの日、仙台市内で約1時間の最終調整。震災当時を知る仙台ひと筋プロ14年目のMF梁勇基(35)は「特別な日の特別な試合。ホームで勝つ姿を届けたい」と、5年ぶりの開幕3連勝とJ1通算100勝へ力を込めた。中学生だった95年には大阪で阪神・淡路大震災も経験。「神戸も大きな被害に遭いましたし、仙台、東北も震災でつらい思いをした。両チームがピッチで戦う姿を見て、経験した人たちに何か伝わるものがあればと思います」と話した。(竹内 竜也)